
紅葉真っ盛り、帝釈峡神龍湖(広島県庄原市東城町・広島県神石高原町)にほど近いところにある田辺さんのぶどう畑を訪ねました。すでにぶどうの収穫シーズンも終わりぶどう畑の片づけが始まっていました。来シーズンへ向けて枝を落としたり、残ったぶどうを片づけたりと、背の低いぶどうの枝の下での大変な作業です。
田辺さんのぶどう畑には、1本だけ『ベリーA』という品種のぶどうの木が残されています。以前はとても人気のあった『ベリーA』ですが、最近はほかの新しい品種に押されて作る農家もずいぶん減ったとか。
※ベリーAはワインに適した品種としてワイン用に栽培されていますが、近年生食用として栽培する農家が少なくなっています。

まだ枝から下がっているベリーAを収穫させてもらいました。
田辺さんの家では黒毛和牛を飼っていて、その糞を堆肥としてぶどうの栽培に利用しているそうです。農業のリサイクルですね、循環してます!
巨峰などに比べると粒の大きさは小さいですが、甘みが強く味が濃厚です。
実は、田辺さんの「ベリーA」には種があります。通常、生食用のぶどうには種がないのがほとんどですよね。これは、ジベレリンという植物ホルモンを使うことで人工的に、種のないぶどうにしているからなんです。田辺さんのベリーAはこのジベレリン液を使用していないので、種がそのままあるんです。
ジベレリン液(植物ホルモン)を使うと種なしになるわけ
通常、果実はめしべの柱頭に花粉がついて受粉することで子房の中に種子ができ、子房がふくらんで実になります。ところが、ぶどうは受粉しなくても、房をジベレリン液に浸すことで実を作ることができます。その結果、受粉していないので種なしぶどうができるというわけです。


『ベリーA』は日本でワイン用につくられた最初の品種
正式には「マスカット・ベリーA(Muscat Bailey A)」といい、新潟県で生まれた紫黒色の品種です。親の掛け合わせは「ベリー」×「マスカット・ハンブルグ」。
日本のワインの父と呼ばれる川上善兵衛氏が育成し、1940年(昭和15年)に命名・発表されました。日持ちがよく、生食のほかワインの原料としても利用されています。
2013年(平成25年)には「国際ブドウ・ワイン機構」への品種登録が行われました。これによりワインをEU諸国へ輸出する際に、マスカットベリーAの品種名をラベルに記載できるようになりました。

【Wベリージャムディップ】
材料:作りやすい量
・ベリーA 200g
・ブルーベリー 100g
・砂糖 大さじ2
バルサミコドレッシング
・オリーブオイル 大さじ2
・バルサミコ酢 大さじ2
・塩 ひとつまみ
・こしょう 少々
作り方:
1.ブルーベリーと皮を外したベリーA、砂糖を合わせボウルに入れ、果汁が出るまでしばらく
そのまま置く
2.1を鍋に移し、半量になるまで弱火で煮詰める
3.バルサミコドレッシングをつくる。材料をすべてボウルに入れ泡だて器でよく混ぜる
4.半量まで煮詰まったら、できあがったバルサミコドレッシングを加え、ひと煮立ちさせたら
火を止めて粗熱を取る。
クリームチーズによく合うジャムディップです。
by RIE KIKKAWA