たぬきの道と スローなカメラ


ここまでデジタル化が進むと、ふいにフィルムカメラを使いたくなります。

一枚一枚に時間と手間とお金がかかってしょうがないですが、そこが可愛いと言い切ってしまえる魅力があります。

雲の動くのをのっそりと待ち、光とたわむれる時間。それってちょっと贅沢ですよね。

 

 

カメラが大きいと景色も大きくないと収まりきりません。

山とか海とか。

大きなカメラをあっちこっちに振り回せるのも田舎ならではの醍醐味です。

50年くらい前のカメラですが、ちゃっかりライブビュー?機能があります。

といってもガラス版にレンズの向こうの景色が映るだけですが・・・。

 

カメラ背面に逆さまに映る被写体に、ああでもない。こうでもないと調整している内に時間が過ぎていきます。

しまいに、夕日まで沈んでしまいました。

 

と、そのとき!

たぬき!しかも2匹。



 

写さなきゃ!

が、レンズにズームもなければ、連射もない。

そもそも準備ができていない。

つまり撮影できない!

まったく不便なカメラです。(カメラのせいではないかもしれませんが)


もたもたしているレンズの前をタヌキ達を横切っていきます。

どうやら、この池のほとりはタヌキの散歩道のようです。

 

が、その分じっくりこの目でタヌキの散歩を見ることができました。(これはカメラのおかげです)

 

*撮影はデジカメ

結局今日は、風も吹いてきたので何も撮影できませんでした。

 

それでも思い返してみると、今日はいつもより景色と長く向き合えた気がします。

頭の中で何回もシャッターを切ったような。

ガラス版を通して自然と会話をしたような。

 

果たしてライブビューは逆さまでよかったのです。

jun iwawaki