
色とりどりの鮮やかな色彩が、虹を思わせる豪華な花「ジャーマンアイリス」。
「1年365日のうち350日は葉だけ見とるんですよ・・・、15日間だけです、この花が見られるんは・・・。」
丘のうえ一面に咲き誇る「ジャーマンアイリス」を育てている田村虎和さんは、見に来た人にそう笑顔で話していました。
5月中旬になると、広島県庄原市の田村さん宅裏手の丘の上には、170種にも及ぶさまざまな品種のジャーマンアイリスが鮮やかに咲き、毎年多くの人がその花を楽しみにやってきます。

個人のお宅の庭を期間限定で公開し、誰でも気軽に見学することができる「庄原さとやまオープンガーデン2015春」(しょうばら花会議主催)に参加している田村さんのお庭(ジャーマンアイリスの庭)。

車を止めて、家のすぐ横の坂道を上っていくと・・・、そこには、一面のジャーマンアイリスが。
「わーあ、きれい!」「すごーい!」と、誰もが思わず声を上げてしまいます。
まさに虹色の景色です。
田村さんは、30年前にジャーマンアイリスに出会い、一目ぼれ。
ぜひ自分でも育てたい!と思ったのがきっかけで、現在、なんと約5000株ものジャーマンアイリスを育てています。
”この品種も欲しいなあ” ”こっちもいいなあ”と、植えているうち、だんだんと品種や株数が増えていき、気が付いたら周辺の住人が見に来るようになって・・・、
そうすると今度は、そのうわさが広がって、さらに多くの人がジャーマンアイリスを愛でに訪れるようになったそうです。
今では、遠く四国や山口県、岡山県からやってくるファンもいるほどです。

ジャーマンアイリスは、造形と色彩の贅を尽くした西洋の美の極致といわれている花だそう。
鮮やかな色の花を咲かせるには、肥料のバランスが特に大切だそうで、田村さんはその調整や成分など、研究に研究を重ねいろいろな工夫をしています。

田村さんオリジナルの品種も12~13種類あるんです!オリジナルの品種にはそれぞれ、田村さん自身で名前を付けているそうです。
今年、新しくお目見えしたこの白い花色の品種。その名も「シャーロット」!
理由を聞くと・・・、「この頃は、サルでもつけてもらうほどの名前じゃけえ」(笑)
「他に『ダイアナ』いう名前の品種も咲いとるよ。」と教えてもらいました。
これがその「ブラッシングダイアナ」です。

「人を感動させるんが嬉しいんよ。」と言う田村さんは、ジャーマンアイリスを見に来た人が”わあーっ”と声を上げて感動する様子を見て、満面の笑顔です。それがパワーの源になっているんですね。


※さとやまオープンガーデンの田村庭(ジャーマンアイリスの庭)の見学可能日は、2015年5月25日(月)まで毎日。ちなみに2015年は開花が例年より1週間ほど早かったそうです。
撮影日:2015年5月19日
by RIE KIKKAWA
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