
比婆郷土料理研究家の小林富子さんに一足早く、比婆地方のひな祭りの節句料理「はまぐり寿司」を作ってもらいました!
小林富子さんによると、比婆地方(広島県北東部エリア)は、海から遠く離れているため、はまぐりが手に入りにくく、代わりに昔とても貴重な食材だった卵をたっぷり使ったはまぐり寿司が節句のごっつお(ごちそう)だったそうです。
甘く味をつけた卵を丸く焼いて、その上1/4に寿司飯をおいて4つ折りにし、はまぐりの形に包みます。
それから、火箸(囲炉裏や火鉢で使う鉄製の箸)を熱~くして、貝の模様を焼き付けます。
今なら火箸の代わりに金串(バーベキュー串)で代用!ですね。

花に見立てたお寿司も可愛らしいですね。赤いでんぶで色を付けています。
真ん中の錦糸卵がポイントです。

そもそも、なぜひな祭りには「はまぐり」なのでしょう?
はまぐりは昔から」縁起の良い貝とされていたそうで、ひな祭りやお祝い事に用いられてきた貝でした。
それは、はまぐりの貝殻の特徴にあります。
二枚の貝殻は同じ個体のもの以外とは決して合わないので、夫婦和合、夫婦円満の象徴とされているからだそうです。
平安時代から続く遊び「貝合わせ」もこの特徴を活かしています。
比婆地方のひな祭りの節句料理「はまぐり寿司」。彩りもきれいだし、見た目も華やか。
比婆地方では、今でも旧暦で節句をお祝いするところが多く残っていて、ひな祭りといえば4月にお祝いする行事なのですが・・・。
かなり早いひな祭りの行事食のお披露目となりました。
by RIE KIKKAWA