比婆郷土料理研究会『田植えの頃の比婆めし』

 

比婆地方もすっかり初夏の陽気となり、田植えの季節を迎えました。

2017年5月13日(土)、久しぶりの比婆郷土料理を開催。今回の比婆郷土料理研究会のテーマは、この時期にぴったり『田植えの頃の比婆(ひば)めし』です。

 

講師はもちろん比婆郷土料理研究家の小林富子さん。田植えに欠かせない郷土料理「うちご団子」も教わりました!うちご団子・・・はたしてどんな味なのか・・・?

 

今回のメニューは、

【野山の恵みを楽しみながら・・・田植えのころの比婆めし】

 

・混ぜめし

・うちご団子

・ちしゃざぇ

・タジッポ(イタドリ)のきな粉まぶし

・タキミズナのおひたし

 

だったはずが・・・結局終わってみれば山菜のお味噌汁」「山菜煮しめ」も加わり、全7品

となりました。

 

混ぜめしとは、ちらしずしのこと。

昔、田植え作業が忙しいこの時期には、家族総出で田んぼに出るため、食事の準備に時間をかけることができません。それで、作っておいた煮しめを小さく刻んだものをすし飯に混ぜて、混ぜめしを作っていたそうです。1品でもおかずを作る手間を省けるのと、具だくさんで栄養価も高いので、一石二鳥の田植えのころの定番料理だったそう。

 

まずは、すし飯に混ぜ込む煮しめ作りから。

 

この時期には様々な山菜が手に入ります。ふき、たけのこ、わらび、木の芽など・・・。

 

山菜はあく抜きなど下準備が必要なものが多く、手間はかかりますが、やっぱり旬の山菜の味はパワフルで美味しい!スーパーなどで売られているものとは全く違う食感と味が楽しめます。

 

手間を惜しんではいられません!

 

煮しめには高野豆腐もよく入れていたそうです。

いりこと昆布でとっただしに、しょうゆ、みりん、塩などで濃いめに味をつけ煮しめを作ります。

 

煮しめができたら、それを小さく刻んですし飯に混ぜ、木の芽を散らして出来上がり。

木の芽は手のひらでたたいて香りをたたせます。

 

うちご団子ってどんな団子?

そして今回のメインレシピ。比婆郷土料理研究家の小林富子さんでさえ、今ではめったに作らないという幻のレシピ「うちご団子」を作りました。

小林さん曰く、今では誰もうちご団子という言葉すら発しないとか・・・忘れられつつある、いや忘れられた郷土の味です。

 

昔、食べたことがあるというお年寄りに聞くと「ひとつも美味しゅうない、食べたぁとは思わんで!」(全然おいしくないから食べたいとは思わない)というはなし。

 

そういわれるとますますどんな味なのか食べてみたいっ!!と思うのですが・・・。

 

うちご団子は、生の大豆をしっかり乾燥させて(売っている乾燥大豆をさらに天日で2~3日しっかり乾燥させます)、粉末にします。昔は各家庭に必ずあったという石臼を使っていたようですが、石臼がないので今回はコーヒーミルを使って生大豆粉にしました。

 

生大豆粉にもち米粉を3:2の割合で混ぜ、それに砂糖を加えたものに水を少しづつ加えながら耳たぶの柔らかさにこねます。

 

平らな棒状にまとめて、まず蒸します。

蒸しあがったら、次に焦げ目がしっかりつくまで焼いて2㎝くらいに切り分け、さらにそれを煮しめの煮汁で煮て、味をふくませます。

 

ちなみに煮汁で煮る前の焼きたてを食べてみると・・・、あれっ?想像より美味しい!?バターとジャムとか合いそうです。

 

ちょっともっちり、大豆の味もしっかりしていかにも体にいい感じ!

 

昔の田植えは、すべて手植え。田植え機なんてありません。

連日かなりの重労働のため、体力が必要なので大豆をタンパク源としてしっかり摂れるようにと考えられたレシピなのではないかということです。

 

昔の人の『食の知恵』ですね。

 

「ちしゃざぇ」も田植えに欠かせない1品。

酢サバを添えました。

 

それから、この時期の山菜「タジッポ(イタドリ)」と「タキミズナ(ウワバミソウ)」を使ったレシピも教わりました。

 

タジッポのきな粉まぶしは、タジッポをだし汁でさっと煮てからきな粉をまぶします。

 

 

タジッポは、皮をむくと緑色がみずみずしい。酸っぱい山菜です。この時期、山や田んぼのあぜ道など、あちこちで見かけます。

 

きな粉を使うので、てっきりおやつなのかと思ったら、昔はおかずとして食べていたようです。

 

 

 

旬の山菜と田植えの行事食を堪能した今回の比婆郷土料理研究会。

野山の恵みを美味しくいただいて、郷土料理がさとやまに彩りを添えます。

 

山菜のそれぞれの特徴を活かしながら美味しくいただく先人の知恵、いつもの食事に取り入れてみてはどうですか。旬の山菜って、やっぱり美味しいのです!

 

 

 

by RIE KIKKAWA